6.1.15

Umata motors & Kawasaki W1SA 1971 (2)


 W1SAと引きあわせていただいた、尼崎の馬田モータースさん。

 この車両は、倉庫の中で20年以上眠っていたそうで、全体的にいい感じにやれています。元々、気軽に乗りたいと思っていたので、まさにパーフェクトなものでした。年輪とでも言えるものがちゃんと残っていて、エンジンなどがちゃんと調子の良いものが理想でした。だからクランクケースなどのくすみもポリッシュしようとは思いません。この時代を象徴する(?)大きなウィンカーも最初は嫌でしたが、慣れてくるとこれ以外の選択肢がないように感じてくるから不思議なものです。

 入手してから7,8ヶ月ほどが経ちました。(2015年1月現在)最初からお話頂いていた、クラッチの軽い張り付きがあるものの、基本的には絶好調で2014年の秋には和歌山の「英車の集い」にもこの車両で参加しました。(BSA Gold starはその頃、ダイナモ破損により部品待ち状態。トライアンフのカフェレーサーはヤレヤレなので英国車を愛する大先輩達の前に乗って行くには気が引けた、などなどの理由により選ばず。)

 W1SAは、1990年代後半のRockersイベントで並走して以来、「いつかは」と願っていた一台でした。どっしり&堂々としたポジションと、やっぱりその「音」。トライアンフなどの英車とは違う、乾いて、歯切れがよく、パンチが効いた音にすっかりやられました。とは言っても在英時は兎にも角にも英車一本だったので、帰国後、日本の景色の中で生活するようになってから気分が盛り上がってきました。イギリスで覚えた、カントリーサイドでの豊かなライフ・スタイルへの憧れもあり、「日本のカントリーサイドにマッチするのは、当然日本で作られたバイクだろう。」という考えも加わって、いつか沸々と所有したい、という気持ちが湧いてきました。

 ご縁があってうちの子になった、W1SAは1971年製。W3と同じ、通称「大根マフラー」という騒音規制への対策がなされる以前の、あの憧れた排気音を奏でてくれるもの。知識は、色々な方々から教えていただいたものや、本からの受け売りではありますが、メインキーを取り付けるラグがフレームに付いており、生産の番号が比較的若めのことから初期型、と言われるようです。



 タンクは最初にリペイントされたW1SA用が装着されていましたが、山道を元気よく走った後に、ガソリンコック付近よりちょっと滲むようになってしまいました。ひとまず応急的には対処したものの、馬田さんに相談したところ、ご好意で新たにリペイントされたタンクと交換していただきました。信頼できるショップから購入させていただくことが、本当に有難いとしみじみ思いました。また、和歌山のツーリング後に、気になる点があっていくつか質問させて頂いた時のこと、キャブのスロージェット番号、スクリューの位置、クリップの段数を覚えていてくださったことにも驚きました。ある症状について尋ねた時も、W1の構造をきちんとご存知だからこそのアドバイスをいただき、本当に心強く思いました。バイクの整備は、あれやこれやと素人整備でやってしまいます。それが僕にとってはクラシックバイク・ライフの楽しみと、ささやかな追求でもありますが、「プロ」に委ねることで安心してそのバイクに「楽しく乗る」ことに集中出来ることも、やっぱりいいよなーと改めて感じたきっかけにもなりました。

 その後、タンクはW3用のキーロック付きのタイプとなりました。聞いた話では、W3発売後にカワサキへW1SA用のスペアタンクを注文すると、W1SAのカラーリングでロック付きが送られてきたそうなので、アンマッチングとは一概に言えないそうです。個人的には、W1SA用のキャップの形が美しいとは思いますが、今ではロックに使う小さな「Kawasaki」と刻まれた味の出たキーにも愛着があります。

つづく

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